11月19日

敬愛してやまない都築響一さんのトークイベントが今年も松楠居で開催された。

今回は都築さんのトークイベントと併せて、おもしろハンドバッグを作るレイ・リケットさんの展覧会その名も「カモナマイハウス」も行われた。

レイリケットさんの作るハンドバッグはちゃんと使えることが出来、例えば、ざる蕎麦の乗ったせいろの形をしたハンドバッグなどは開くと蕎麦が崩れるので、閉じる度に盛り直すというおもしろ仕様だったり、ピクニックの形やケーキの形だったり、乙女心をくすぐるような可愛さもあり、ユーモラスな世界観もあって観ていてとても楽しい。

 

受付で久しぶりに会う主催者のさやかさんからレイリケットさんの展覧会のDMを引かされる。切手の部分に何かアルファベットが書かれていただけで、なにか分からないけれど、ちゃんと持っておくように言われる。

 

開始間際で都築さんが到着。早速、レイリケットさんの話から。おもしろハンドバッグから、普段意識することのない街角にありふれた銅像が、何を目的でつくられたか分からないものから、周りとの風景との組み合わせでどこかおかしさが浮かび上がってくる写真を集めたZINEの話も。パソコンの調子が悪いため画像がうまく進んでいかない事態ではあるものの、撮りためていた素晴らしいフィルムの数々が本人の死後にオークションに賭けられたまたま発掘された、ヴィヴィアン・マイヤーの話から、子育ても終えた農家の中年の主婦が納屋の一室でしたためた女性と牛のまぐわう奇妙な絵の話から、精神病院で出会った素晴らしいアートの数々などなど。都築さんの語り口と、芸術とは表現とは評価とは何なのか、すぐそこら辺でも誰に知られるわけでもなく面白いことをやっている人がいるのかもしれない。いろんなことに思いを巡らすことができた。

 

トークイベントはやや早めに終り、都築さんやレイリケットさんを囲んでのお食事会に。入場の際に引いた展覧会のDMのアルファベットは席順であった。そしてカノジョ氏とまさかの隣り合わせ。DISCOの夜の振る舞いにより、やや険悪になっていた我々としても驚き。これは何か仕組んだんじゃないのと、さやかさんからからかわれたりしたけれども、何も小細工は一切していないし、これは何か引き寄せの法則(というと一気に胡散臭くなるが)とでも言うべきか、見えない力がはたらいたのであろう。

 

相席となったのは、西日本新聞社の方、つい最近、ロンドン旅行に行っていたという素敵なマダムと、都築さんの大ファンであり福岡のイベントの常連であるYさんの後輩の方。明日も平日で帰らなくてはいけないのでノンアルコールなのが恨めしいかぎりだけれどとても楽しい時間。都築響一さんという面白いものを見つけることのプロの下に集う人々はやはりユニークで好奇心旺盛な方ばかりでとても刺激を受ける。大牟田のレトロな佇まいのビアガーデン(なんでも蚊に刺されまくるらしい)一度行ってみたいな。調べてみるとビャガーデン博多屋というらしい。

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都築さんともお話できて、最後には一緒に記念撮影までしてもらって大満足のまま帰路につく。それにしても、同じ都築さんファンをシャッフルさせて輪を広めようとするさやかさんの心くばりには感心するばかり。